2014年6月19日木曜日

裁判・平成5,6年の最高裁判決

いずれも、人身保護法という緊急避難的な法律を、
子どもの監護について適用するときには、
かなり明白な問題がなければダメで、
それ以外のときは審判で科学的におやりなさい、
というのが趣旨だったと思われる。

これを他の法律や、それこそ審判の指針にするのは、趣旨が違うので間違い。
「日本の裁判所が連れ去りに甘い」とする理由をここに求めるのも間違い。
これは、この法律が、その拘束が違法かどうかを問うものだから。
また、これらの判例をもとに、連れ去ってもいいんだとするのは、もっと間違い。

だから、これらのあとに連れ去りが増えたのは、ちょっと不思議ではある。
偶然の一致とは思いがたいので。
おそらく、関係者のみなさん、拡大解釈に走ったんだろうと思うけど。
それ、間違ってますよ。

これらの一件一件は、あんまり無理がない判決なんですよ。
ただ、子どもを(赤ん坊まで)法廷に立たせようとしてたこと以外は。

ひとつ要注意なのは。
平成6(オ)1437が、子どもを引き渡す方向で棄却・差し戻しをしているんだけど、
その理由。

どうみても、現監護者のほうが、安定した生活をしていて、お金もある。
しかし、現監護者には親権がない。だから違法な拘束だと判断した。
子の幸福ではなくて、監護の継続でもなくて、親権を優先したぞ。

親権がおちつくまでは子どもに会わせないというのは、ごくごくよく見かける法廷戦術である。
それにのって、離婚を承諾し、親権を渡してしまうと、
その先になにかおきたとき子どもをかくまっていると、違法な拘束だということになる。

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