2014年4月21日月曜日

ウォラースタイン先生からちょっと引用:未知の領域に踏み出した社会

現在の状況は、人類史上に前例がないくらい酷いのでは

「セカンド・チャンス」 ジュディス・S・ウォラースタイン、サンドラ・ブレイクスリー 共著
高橋早苗 訳  草思社 1997年

最終章から、ちょっと長い引用をします。
ウォラースタインは離婚後の家族がどうなるのか、
長期にわたる影響について定量的な調査をした研究者・実務家で、
(これは米国の立法・司法の哲学の基盤になってる仕事)
この本は彼女のベストセラーのひとつ。実例をあげて説明してます。
いい本。
ちなみに彼女はPASや洗脳という見方をしなかったのだけど、まあそれはいいとして。

著者はこの最終章で、研究をふりかえって、総括しているのですが、
高名な文化人類学者のミード博士との会話を紹介しているのです。
とても興味深い。

アメリカ社会は、従来とはまったく異なる
未知の方向に向かって根本から変化しはじめているのだ。

このような変化について思いめぐらしていると、
1972年に人類学者のマーガレット・ミードと話したときのことを思い出す。
調査を始めたころに、
離婚家庭の子どもがどれほど悩んでいるかを知って動揺したわたしは、
真夜中のサンフランシスコ空港で彼女と会う約束をした。
彼女は、それが最後となったニューギニアへの旅の途中で、
出発時刻までの七時間ほどをいっしょに過ごしてくれた。
彼女もこの調査結果に貰いて、こう言った。

「ジュディ、人々が共同体からの大きな圧力を受けずに
結婚生活を続けている社会は世界中のどこにもないのよ。
あなたがこれからどんな発見をするか、だれにも予測できないと思うわ」

彼女の言葉を思い出すたびに痛感するのは、
人は、わずかここ20年ほどのあいだにみずからの手でつくりあげてきた世界
――結婚生活を好きなときに自由に終わらせることができる、
人類史上かつてなかった世界――
について、実際にはほとんど何も知らずにいるということである。

家裁の不作為(と弁護士たちのあいのり)で、
一人の親が、好きなときに子どもを支配して連れ去り、
そのまま自分の我を押し通すことができる社会になってしまいました。
この変化は、わずか10年でおきています。

その子どもは保護されるか? 
多くの母子家庭が貧困にあるのはご存知のとおり。法律が成立したくらい。
児相も、裁判所には口を出しません。
行政は責任を引き受けない・ないし、引き受ける能力がない。
連れ去ったものだけが全ての鍵を握っている。

こういう社会が実現したのは、今までになかったのでは。

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