2014年4月13日日曜日

翻訳:子どもと家族の基本的人権を守ること

子どもと家族の基本的人権を守ること:片親引き離し症候群と家庭法の修正



R. クリストファー・バーデン

概要


法律家、メンタルヘルスと科学のコミュニティは、子どもが監護権訴訟の犠牲にならないように防止する神聖な義務を共有している。児童虐待を積極的に予防・調査・処罰することと、親の基本的人権を守ることは、それぞれ親族法の根本的な目標である。そのような目標を達成するための努力は、偏見より事実、興奮より科学、政治的イデオロギーより理由、にそれぞれ基づかねばならない。親の疎外プロセス――片親引き離し症候群(PAS)を含む――の学際的な分析は、親族法が定める制度がなぜこれほど頻繁に、子供や家族の基本的権利の保護に失敗するのか、その理由を示している。子供への親の影響は、広く認められている現象である。心理学、精神医学および関連分野におけるこの数十年の研究は、大人からの影響力が、子どもの考え、信念、発言、および記憶さえ自在に変えてしまうことを明らかにしている。不適切な動機による法の適用や、低水準な慣行は、疎外プロセスを開始・維持して、家族に深刻な傷を与える。裁判所が偽科学による「専門家」の証言を採用したときも、親の疎外は悪化する。

適任で効果的な親族法の訴訟チームには、科学(臨床家ではない)の専門家が必須である。法制度の改革は大いに、PASと、PASに惹起される事柄の悲劇を減少させるであろう。


片親疎外は親族法の制度上、重要な問題である


文明は何世紀もかけて、費用効率が良く、理にかなった方法を編み出してきた:民法(親族法を除く)、商法、刑法に関しては。これとは対照的に、現在の離婚と監護権にかんする法の多くは、ここ数十年のあいだに急いで作成されており、まだ未熟でしばしば混乱し、いわば開発段階にあるといえる。たとえば(高位の裁判所から)親族法の専門家に示される、家族を取り扱うための指針に、欠陥があったり整合性がとれていなかったりする。また子どもの監護権事件では、信頼すべきでないさまざまな「専門家」が証言をするため、しばしば間違った(判決を方向づける)動機が生じ、それが悲劇的な結果をつくりだしている (Grove & Barden, 2000; Hagen, 1997; Dawes, 1997) 。

親と子の家族関係についての基本的人権を守ることが、親族法が定める制度の、第一義的な責任と根本的な目的である。子どもの虐待を防止することは、これとは別の責任と根本的な目的だ。もちろん親族法の専門家は、児童虐待を減らし、被害者を支え、加害者を罰するべく努力すべきだ。こうした最終的な目標を達成・維持するための努力は、偏見より事実、興奮より科学、政治的イデオロギーより理由、にそれぞれ基づかねばならない。子どもたちはあらゆる種類の虐待から強く守られねばならない。虐待は物理的虐待、ネグレクト、性的虐待、心理的虐待を含む。とくに心理的虐待は、親が他方の親を疎外させるよう働きかけること、科学に疎い弁護士、あまり訓練されていない調査官、不注意な精神病医やセラピストが子どもを不適切に扱ったり傷つけたりすることを含む(Barden, 1994; Barden, 2001a; Hagen 1997; Dawers, 1997; Lilenfield et al. 2003)。

これら親族法の目的について適切なバランスを欠いた法的な手続き(※たとえば虚偽のDVの訴えを検証しないままに、他方の親の権利を制限し続けること)は、片親引き離し症候群(PAS)を含む家族問題を生じさせたり悪化させたりする。PASは一般的に、子どもの態度、信念、記憶が片方の親によって操作され、かつて愛した親や親戚を辱め、嫌い、そして/または恐れるようになる過程と説明されている。このようなケースでは、疎外親と、疎外親に操られている子どもは共同して、標的親を中傷するキャンペーンを展開する(American Psychological Association, 1994; Gardner, 1998; Gardner, 1985; Gardner. 1986; Gardner, 2003; Vassiliou & Cartwright, 2001; Warshak, 2001a; Wallerslein & Kelly, 1980, Cartwright, 1993)。監護権訴訟中の、対立が激しい家庭についての調査によると、PASとPASに付随する過程は、そうした高葛藤な家庭に、痛ましいほど共通して見られる問題である (Clavar & Rivlin, 1991; Bone & Walsh, 1999)。

大きな意味で、こうして疎外をさせることは、単に子どもの態度を操作することをはるかに超えている。PASの関連行為に関する調査では、(子どもの信念・態度・記憶を操作することを別にしても)標的親を傷つけ、苦しめ、拘束するような、あらゆる反道徳的な行いが報告されている。加えて、後に紹介する調査にも明らかなように、PASと関連行為はただ一人の親に対する問題行動にはとどまらないことが多い。各地方の親族法の専門家と関係者の無知、職権乱用、怠慢は、PASと関連行為による深刻な被害の根本原因となりえる。

実務的には、PASと関連行為はふつう、適切な訓練を受けた専門家や裁判官には容易に識別可能である。そうした事件ではよく、法の執行を欺いたりコントロールしようとする――そして標的親を貶める――とてもわかりやすい、繰り返した試みが見られる。たとえば、虚偽の虐待の告発、和解案を拒絶することを繰り返す、(特に)子どもを含む証言者を操ろうとする試み、情報操作によって教師に誤った認識をあたえる、家庭内暴力の事実を「立証する」ために不適切な「セラピスト」を雇う、またその他の反道徳的な行いである。このような虐待行為は、その犯罪的な親とアドバイザーの考えつくかぎり、どこまでも拡大する。

PASと関連行為は、心理的虐待の一形態としてとらえるのが最も適切である(Gardner. 1998; Vassiliou & Cartwright, 2001; Warshak, 2001a; Wallerslein & Kelly, 1980)。裁判所が制止しない間、PASと関連行為は子どもと家族に精神的、社会的、経済的な傷害のリスクになり続ける。PASと疎外行為を裁判所が適切に評価せず対応しないことで、しばしば何年にもおよぶ不要な訴訟と過大な費用が発生する。この不作為はずっと頻繁に、大切にされてきた家族関係の悲劇的な破壊を生じさせる。


片親引き離し症候群と関連行為:とくに新しい概念ではない


「片親引き離し症候群」という用語について、一部の法律家の間で、かなりひどい混乱が生じている。しかしPASと関連するコンセプトは、実際のところ、広く、何年にもわたって使われてきている;これはなにも新しい概念ではない(Gardner, 1986; American Psychological Association, 1994)。さらに重要なことに、PASに潜在する基礎的、精神医学的なプロセスについては、何十年にもわたって、専門家による査読つきの文献が刊行されてきた。PASの本質についての信頼できる論文は、査読つきの一流誌に掲載されている。総じて、PASの理論的な基礎は、実質的に全ての精神病理学のなかで、もっとも信頼性があって、もっともよく報告されていることがら――親から子への影響について――の上に構築されている。

発達(児童)心理学、社会心理学、人類学、臨床心理学、精神医学の分野での学術および臨床研究者は何十年にもわたって、どのように子供の(や大人の)記憶・感情・態度が、パワフルな他者――特に権威ある人(※子供にとっての親、教師、警官のように)――の影響によって変えられていくのかについて報告してきた(Ceci & Bruck. 1996; Ofshe & Watters, 1996; Cialdini. 1993; Mazzoni 8: Mcmon, 2003; Loflus. 1997; Bruck & Ccci, 1995; その他)。現在では、関連する科学のコミュニティにおいて、親が子どもに影響していくプロセスは深く広く知られており、これにたいする反論はない。たとえば文化の継承は、信念、感情、そして記憶を子どもにインストールする親の能力に依存している。

子どもたちに影響を与える親の力については議論の余地はない。遺憾にも、裁判所はこれまで、PAS型の問題を検討するべき多くの事件で、親・セラピスト・そのほかの大人たちが子どもたちの態度・信念・記憶にどう影響したかを詳細に調査するという重大な責任を果たしてこなかった。裁判所はむしろ、「症候群」といった技術用語の意味や、公的な診断マニュアルに掲載すべきかどうかや、その他のごく瑣末なことがらに拘泥し、本質的な議論を避けてきた (Bruck & Ceci, 1995)。

PASを引き起こし維持する心理学的な機序――親による影響のプロセス――はよく研究・理解されているが、PASが長期にわたってどのように影響するかの厳密な研究は、まだ終わっていない。PASと関連する行為の長期にわたる悪影響をどう予防し治療するかは、臨床、社会科学、法律の専門家による厳密な科学的調査が必要になるだろう。こうした調査は主要な大学の医療センターや、大学の精神医療プログラムや、あるいは専門家たちによる同様の枠組みを使って行われるべきだろう。研究結果は精神病や心理学の関連分野(アメリカ心理学協会、アメリカ心理学会、アメリカ精神医学会)の一流紙に発表されるべきだ、トラウマとか虐待とかセラピーのような、少数の専門家のための政治色があるジャーナルではなくて。このように政治的な問題となりえる分野の研究者は、社会的・職業的・経済的なプレッシャーや、どうかすると個人による攻撃からも身を守る必要がある。この研究の目的は、長期にわたる係争や配偶者の存在下で、どうすれば子どもと親との関係が改善したり悪化したりするのかに焦点をあてるべきだろう。この情報が与えられれば、裁判所は離婚した夫婦により良い行動指針を示すことができ、より親切な、より支持的な、より尊厳のある関係を築くことを励まし、力添えができるようになるだろう。

心理学者たちによるPASの長期的な効果にかんする学術研究はまだ始まったばかりだが、PASと関連事項の子どもや家族への有害な影響は、観察力のある裁判官や弁護士によって長い間、指摘されてきた。米国の多くの司法区域では、監護権を持つ親が、他方の親の基本的な権利を妨害すれば監護権者を変更するという、長年の伝統がある(Borris, 1997)。

PASと、関連する疎外プロセスの根底にあるメカニズム(例えば、親の影響)が強力な科学的根拠とともに発表されているにもかかわらず、弁護士や精神衛生の臨床医には基本的な科学的トレーニングがほとんどなされていない。これをしないことによって、いくつかの法廷では、木(用語の定義や、他の多くの瑣末なことがら)のために森(よく研究されている親からの子への影響)を失うことが起きている。数十年にわたって信頼性の高い科学研究が子どもへの親の影響を報告していることを考えれば、親子関係を損なうための意図的で操作的な努力という事実を目にしたとき、裁判所はこれ以上の研究を待って躊躇する必要はない。法と科学のコミュニティは、子どもが監護権訴訟の犠牲者になることを防ぐ、神聖な義務を共有している。

短く言えば、PASのような特定の症候群の長期的な影響を完全に理解するためにはさらなる科学的な調査が必要だが、強力な親の疎外のプロセスについては、関連する多くの分野の科学者や専門家が、数十年にわたって報告している(American Psychological Association, 1994; Gardner, 1998; Gardner, 1985; Gardner, 1986; Gardner, 2003; Vassiliou & Cartwright, 2001; Warshak, 2001b; Wallerstein & Kelly, 1980; Cartwright, 1993; Clavar & Rivlin, 1991; Bone & Walsh, 1999)。


不適切、低水準で不十分な法的慣行がもたらす危険性


PASと関連するプロセスを予防する、そして・または終了させるための重要なステップは、不必要な家族の衝突を作り出したり悪化させたりする慣行を改めることだ。このような慣行には、疎外する親の反道徳的な行いをただ放置することが含まれる。この反道徳的な行為は、たとえば虚偽のDVを訴える、偽証、子どもに偽証を強要する、評価者に虚偽の情報を提出する、虐待を「検証」することで知られている「セラピスト」のところへ秘密裏に子供を連れて行く、およびその他の敵対的な、疎外する行為である。裁判所がこうした重大な不正行為に、ただちに適切な制裁をあたえなければ、疎外親への「標的親を好きに撃っていい」という明確なメッセージになる。多くの場合、このような司法の不作為は何年にもわたる非生産的なヒアリングをもたらし、(1)家族が破産する(弁護士など地方の家庭裁判のシステムが不当な利益を得る); (2)実在しない「感情的な問題」のための価値のない「療法」が続く(たいてい親族法の弁護士とメンタルヘルスの専門家が利益を得る);(3) 多くの無意味な監護権のための調査、多くニセ科学の方法を用いた(いわゆる)「専門家」が不当な利益を得る; といった事態に陥る。

対照的に、裁判所は多くのケースで積極的にシンプルなルールの履行を強制できる。これはたとえば、面会交流のルールをまもる、合意事項の順守、虚偽の申し立てをしない、両親間のすべての電話を録音することがあげられる。これによって、家族を多くの感情的なトラウマや、長年にわたる非生産的な「言った・言わない」式の訴訟、数百万(あるいは数千万円)の親族法の「専門家」や「セラピスト」の無用な手数料、といったものから救うことができる。

なぜ親族法制度はこんなに長く、引きずるような訴訟の戦い(そのなかで標的親が、繰り返し主張される疑わしい個人攻撃から保護されず、自分で身をまもる必要が生じる)を許す――むしろ奨励する――のか?このような手に負えない訴訟を許可・奨励する親族法制度について、どんな要因がその改善を阻んでいるのだろう? 改善への最大の障害は、訴訟(の期間と件数)を増加させることによる経済的な動機(インセンティブ)が染み付いていることである。この経済的な動機とは、法律の専門家・調査官、提携する心理療法士へのより大きな報酬のことである。より長く、より高まった葛藤は、より多くのヒアリング・調査・「セラピー」、そして弁護士や専門家へのより大きな報酬を意味する。

このような高葛藤な監護権の争いとPASプロセスは、多くの場合、疎外親と地方の親族法の専門家の共謀による不正行為を含んでいる。これらは予測可能なパターンを取ることが多い。

1. 元配偶者への(多く「専門家」「セラピスト」「弁護士」からの誤った情報に基づく)虚偽の告発

2. 不適切・低水準な面接や調査方法 

3. 地方の顧問弁護士が、適任な社会科学の専門家に相談することを怠り、反対尋問の失敗を招いたり、ニセ科学による診断や面接方法を許す

4. (もっとも才能あるベストな法学博士であったとしても、実質的に全ての)科学に暗い法律家が、無邪気に不適切な調査法と、子どもの精神異常の間違った診断を受け入れ、親はしばしば曖昧で認められていない「セラピー」や「相談」へ導く

5. 家庭裁判所に雇われた無能で怠慢なメンタルヘルスの専門家(インフォームド・コンセントをとらない、科学的に検証された治療法を行わない、患者の病状を測る際に科学的に検証された方法を用いない、その他の医療過誤)

こうした深刻な過ちはふつう表に出てこない、なぜならあまりにも頻繁に地方のセラピストと顧問弁護士はいつも同様の事件で「一緒に働いて」いて、顧問弁護士は深い(そして公表されない)利益相反の状態で仕事をしているからだ。この利益相反が、監護権の評価者と、地方の親族法のシステムの傘下にいる「セラピスト」の、最も悪質な不正行為を暴露することを妨げている (Barden, 2001a; Hagen, 1997)。

(※中略:しばらく米国での事情について語られている。ここでは主に

1. 法律家と鑑定家および臨床家の癒着と利益導入の詳細

2. 科学者の視点で「何が事実なのか」を客観的に見ることの重要性と、その実現のためにどんなことをすべきか

が、たとえば、このように書かれている。)

医療の世界ではずっと以前から、1900年代初頭に「馬車時代」の医師が一人で全てを仕切ったやりかたから、学際的なチームによるアプローチへと変わっている。あまりにも多くの弁護士(および実質的にすべての顧問弁護士)は1900年台を引きずっていて、「ローン・レンジャー」式の法律学博士だけの訴訟にこだわり、クライアントから法廷での科学的でリアルタイムな相談の機会を奪っている。こうした相談は、複雑な家族問題を扱うためにはどうしても必要であり、全米の主要大学の心理学や医学の教室の多くがコンサルタントの派遣を引き受けているにもかかわらず。法廷に科学的なコンサルタントがいないことが、終わらない訴訟、偽の評価、ニセ科学の証言、無駄で膨大な「セラピスト」と「専門家証人」の手数料を家族に押し付けている。

片親疎外を導く要因


PAS事件の因果関係や動機に関する詳細な質問がしばしば無視されている。なぜこんなに多くの疎外親たちが、元配偶者や子供たちに、精神的にも経済的にも破滅的な打撃をあたえる行為に手を染めるのか? 経験的には、少数の疎外親は、精神疾患(たとえば偏執症)に罹患しているが、その他はただ利己主義や怒り・敵意といったネガティヴな特性を自らコントロールすることを拒否しているだけである。疎外親の多くは、離婚以前にはごく普通の生活を送っていたものと思われる。このような人が、家庭崩壊のストレス下で、地方の「セラピスト」、弁護士、「評価者」、あるいは政治活動家の「サポート担当者」によってもたらされる多大な情報を頼りにすることになる。疎外親はときに、弁護士からの助言によって、配偶者からの暴力を訴えることが、監護権を確保するための最良の方法だと動機づけられる。また別の疎外親は、児童虐待についての悲惨な「兆候」や「症状」を、(真実でも虚偽でも)訴えることを助言される。こうした助言には例えば、子供が悪夢をみる、夜に寝ない(または体重が増えたか、鬱になった、あるいは摂食障害など)、つまり「それは虐待されているからだ」と言えそうな、あらゆることが含まれる。

(※以下、米国事情。どのように「専門家」が嘘をつくのか、それがどうPASを誘導するのかについての報告と、それをどう見破るのかについての提言。この文献を通じて、怪しいタイプのそうした職業人は「専門家」とカギ括弧つきで標記されている。)

(※たとえばこんな提案があった)

l. 「専門家」は、ピア・レヴューを受け・評価され・論文になったわけではない、怪しげな評価方法を使う。たとえば、お絵かきテスト、インクブロットテスト(※いわゆるロールシャッハ。有名だが、効果が確認されているわけではないらしい)のような。 (Grove & Barden, 2000; Grove et al. 2002);

4.  地方の顧問弁護士が、ニセ科学の手法が使われることにたいして有効に意義を唱えることができない。ビジネスのための法廷なら当然もちいられる、たとえばFrye/Daubert junk science hearings といった手法を使えない(Kumho Tire, 1999)。

(※また、こんな警告があった)

6.  離婚後の両親に求められる行いを逸脱しているときに、裁判所がそれにたいして有効な警告ないし罰則を打ち出せない場合、その逸脱はどんどんエスカレートする。虚偽による申立てが増加し、裁判が長期化する。

どうすれば法の専門家は片親引き離し症候群と関連行為を減らす・根絶することができるだろう


法律の専門家は以下のようにしてPAS問題を悪化させている: (1)不適切な行動指針を設定する、(2)適切で責任ある親の行動のための最小限の指針を順守させない、(3)ジャンク証言を証拠として認める、(4)「専門家」証人への尋問に失敗して虚偽を採用する、(5)複雑な法的/科学的な課題に対処するために必要な、法律家/科学者による学際的なチームを作れない。

一方、法律の専門家は、根拠と教育された良い判断に基づくシンプルな行動によって、PASとPASに関連する問題を防ぎ、減らし、なくしていくことができる。もっとも重要な変更は、法学の学位しか持たない弁護士は科学的な知識と経験を欠くので、複雑な家庭法の事件を扱うセラピスト、鑑定人、「専門家」を選定したり抗弁したりするための実務能力に欠けるという事実を、きちんと認識することだ。このような場合に、21世紀の顧問護士なら最低限でも、適切な科学コンサルタントを(地元の大学教員や国選の専門家から)手配すべきだ。この単純なルールに従わない場合、たいてい、何年にもわたる、明確な結論のない、不必要な、高額な訴訟になる。科学に明るい適任な訴訟コンサルタントの存在は、偽科学に基づく「評価」、有害で未検証の「セラピー」、その他の誤りの危険性を大幅に減少させる。

命令を強化することで、裁判官はPASと関連プロセスを減らしたり根絶したりできる。たとえば、不正にたいして明確・強力で深刻な罰則があることがわかっていれば、ほとんどの親たちは疎外のプロセスを開始しないだろう。あるコメンテーターによると「よくわかっている裁判官なら無実の親に監護権を与えるだろう。それに、PASはつまり子どもをつかって子どもと親との交流を妨げることで、これは児童虐待だから、それの原因となった親には罰を与えるだろう。PASに加担する親がこれを知っていたら、致命的に苦しむだろし、それは当然の報いだ。」(Levy, 1992)。

現在、あまりにも多くの裁判所が、自らの判決を強制したり、フォローアップの方法を示すことをせず、法制度の力と威厳を、役に立たないセラピストのレベル――いつまでも続く議論とネゴ、しかも合意事項に強制力がない――にまで貶めている。事実、迅速で明快に罰する手段をとらないことは疎外親にたいして「進め」のシグナルを送ることになり、これがさらなる疎外や、改竄、そのほかの不道徳な不正行為につながっていく。

裁判所が対応しない・対応が遅いことはしばしば、疎外親の悪い行いが強化され、標的親の悪夢のような経験は続き、金がかかる長い戦いによって子どもは精神的に(経済的にも)傷つき、結果として家庭が大きく損なわれることになる。多くの親はただそこから立ち去り、この役立たずな家庭法の制度に付き合うことよりも、子どもとの接触をあきらめる道を選択する。裁判所が対応しない・対応が遅れるということは、家庭法にたずさわる地元の専門家たちを富ませるものの、PASやPASから派生する問題を引き起こし、それによる子どもの虐待を許容する不作為だと考えるのが妥当である。

親族法制度を見直すにあたって、重要かつおそらく最も必須な――そしてよく忘れられている――ことは、合衆国の家庭裁判所の役割が、基本的人権の保護にあることだ。(※以下、米国における訴訟について、数多くの判例を引用しながら、最高裁が何度も家裁への非難を繰り返していることを紹介している。)

(※この章は、こう締めくくられている)これらの特徴的な最高裁の決定が、家庭裁判所での主張や趣意書に引用されることは、実際、まれである。なぜ最高裁の決定が下位の法廷に引き継がれず、米国の親族法の法廷において親の憲法上の権利が保障されないかを分析する際には、この不適切な経済的動機に焦点をあてる必要がある。この状況が続けば、最高裁の判断は「慢性的につつきまわされて」骨抜きにされてしまう(たとえば「セラピスト」の意見に基づく「監視つき面会」とか、根拠が不明瞭な「カウンセリング」の命令など)。


弁護士と裁判官が知っておくべき、不適切な専門家証人の証言とはどんなものか


(※米国において、頻繁に喚問される証人の「専門家」による虚偽や、非科学的な証言を、どう見破ったらいいのかを、たとえばDaubertの原則にしたがって説明している。本邦ではそうした「専門家」はまだあまり法廷にまで出張ってこないものと思われるので、この章は省略する。基本的には、「あらゆる主張に裏付けが求められるような、科学的な見方が必要だ」という主張で、裏付けとして多くの報告と判例が引用されている。)

(※たとえばこういう内容である。これは、「専門家」がとりがちな行為の例を上げている。DSMというマニュアルがどういう捉え方をされているかの一例でもある。)

科学者がいない状態の裁判では、「専門家」が提出した調査方法の不備を指摘するのに失敗する(たとえば本当の専門家が使う水準にあるような診断方法や、DSM-IVあるような治療方法を提案しないことにたいして疑義を申し立てられない(Grove & Barden, 2000; Barden, 2001a)

科学によって補強された裁判の方法は、不正を防ぐ上でたいへん効果的である


全ての訴訟当事者が知っているように、それぞれの事件は違っているから、訴訟に確実なことはないし、結果は予見できない。しかしながら、科学によって補強された訴訟(法学博士しかもたない弁護士がPh.D.(※哲学博士;理学・農学・工学など、科学分野における博士号)や、そのほか科学分野で訓練された専門家と組んで、ニセ科学に基づいた証言や法廷の手法を撲滅する試みは、もし適切に適用されるなら、目覚ましい成功を収めている。
(※以下、その実例を、いくつかの文献を引用したり、それによって圧縮された費用を見積もったりしながら、紹介している)。

科学の資格—訴訟を補強する専門家たち


メンタルヘルスの専門家(精神科医、心理学者、ソーシャルワーカー、セラピストなど)の倫理規定は、ふつう、正直に証言することを求める。たとえば専門家は「証拠や結論の根拠を誠実に記す」「データと結論の限界を示す」その他のルールに従わねばならない(たとえばAmerican Psychological Association, 1992を参照)。親族法の裁判所においては、これらはことごとく破られる。こうした違反は、それが最も言語道断であるときでさえ、法学の学位しかもたない訴訟当事者たちには、指摘することができない。
(※以下、科学的な視点をもつ当事者が必要な理由を述べている。)


親族法制度の改革には学際的な努力が必要である


PASとPASに関連する親の疎外プロセスの長期的な解決は、司法以外の研究機関の科学者や、立法の専門家が親族法の改正に乗り出すまでは、実現しないだろう。監護権争いのなかで、洗脳・操縦をする親と親族法の不適格な専門家によって虐待される子どもを減らすためには、他の複雑なシステムで成功した改革のケースにならって、学際的な努力を行うべきだ。例えば、1990年台初頭の米国の救急医療システムは、小児の緊急事態の対応が驚くほど不備であった。システムは、主に成人の怪我のために設計されていた。多くの病院の緊急治療室や救急車のシステムで、小児科の緊急事態に対処するための基本的な設備と訓練が欠けていた。その結果、本来なら救えたはずの数千の子供たちが死亡した (Barden, et al. 1993)。

頑迷で閉鎖的、しかも強力な財政基盤をもつこのシステムを改革するために、医学、心理学、法学、経済学、および他の専門家がコンソーシアムを結成し、複雑な問題を改善するための法案を起草した(Barden, et al. 1993)。改善の詳細は、小児科の機器の更新とERの専門家のための先進的な小児救急訓練を必要としたが、競合する金銭的経済的動機をもった産業界からの強力な反対を押し切って、法として制定された。現・前公衆衛生局長官への市民の支持(Novello, 1992など)とメディアの好意的な報道とともに、この法律は、まずニュージャージー州で、やがて多くの州で施行された。これは年間で4,000の子供を救っていると推定される。親族法制度には、同様の、しかしもっと大規模な改革が必要である(Barden, et al. 1993)。

他の有益な先例として、1994年からの精神療法の改革を挙げる。これは、米国のメンタルヘルス制度が「抑圧された記憶と回帰記憶」による「虐待」事件に押しつぶされそうになったときに始まった。年間に何万もの家族が「回復記憶療法」として知られる危険な偽科学の施術を受けたと報告されている。数十年にわたる研究の結果、「回復記憶」の概念は妥当性を否定されている。しかし多くの不勉強なセラピストたちが、圧迫的な面接と催眠の技術をつかって、暗示にかかりやすくなっている患者に、予測可能な事項を摺りこんでいた。突然、何千もの精神病患者たちが、親、教師、国際的カルト、果てはUFOの中で異星人から虐待されたという「抑圧された記憶を回復」したと主張し始めた(Ofshe & Watters, 1996; Loftus & Ketcham, 1994)。

その政治力、巨大なサイズ、および財政面での影響力にもかかわらず、「回復記憶」セラピー業界は、5年と保たずに大幅に再構成ないし破壊された。科学によって補強された医療過誤訴訟が全国に波及したからである。これは、民間財団、著名な科学者、科学リテラシーのメディア•アナリスト、および高度な科学の知識と経験をもつ専門家たちの献身的な努力の賜物である。これらの危険で間違った施術はおそらく数十年のあいだ続いたが、何百にものぼる「記憶回復セラピー」の実践者に対する訴訟は非常に成功した。これらの、成功した心理療法の医療過誤の訴訟のほとんどは、科学によって補強された訴訟の手法を用いていた (Barden, 1997; 2001a; Gustafson, 1995; Gustafson, 1996; Belluck, 1997; Acocella, 1998)。

救急医療や心理療法システムに改革をもたらした学際的なモデルを、現在の親族法制度の欠陥の犠牲――もちろん、PASとPAS関連の行為も――となる子どもを減らすために用いるべきだ。対立仮説を示さずにPASの葛藤に貢献し、根拠のない「臨床的判断」を提供し、信頼性のない評価方法で家族を過度に病気扱いする、またはその他の不正行為に手を染める「専門家」は、詐欺で告訴されて法的責任を問われるべきだし、ライセンス機関にも報告されねばならない。最低限に必要な情報を集められなかったり、「専門家」の反対尋問のために必要な科学的支援を得られない顧問弁護士は「弁護の過誤」として訴えられるべきたし、懲戒処分のため弁護士としてのライセンス機関に報告されるべきだ。訴訟後見人は法的に求められる最低限の仕事を始めるべきだ;疑わしい「専門家」に反対尋問をし、意味のない「セラピー」を押し付け、怒り・緊張・非難を高めて家族内の葛藤を増強する、恥知らずな「セラピスト」を訴える権利を持っていることを、子どもに教えねばならない。現在の親族法システムが経済的な損失と、その他の危険を有していることを啓蒙し、国民意識を高めるために、プレスリリース、メディアの公開とインターネットサイトの情報提供が必要だ。

親族法制度の大規模な改革に加え、PASとPASに関連するプロセスに関して、要因、性質、病因と、長期的影響を調べるために、さらなる科学的研究が必要である。いくつもの重要な疑問に早急な対応が待たれている、これらはたとえば:

1。PASの問題の発生率と有病率は?(Clavar and Rivlin. 1991)

2。親の疎外を表すのに、症候群、プロセス、虐待の犯罪、どれがふさわしい?(Gardner, 1998)

3。PAS及び関連プロセスの診断信頼性と妥当性は?

4。PASにはどんな治療が(もし方法があるのなら)有効だろうか? 家族を再統合し、疎外行為を防止するための努力を含めて。

こうした研究課題は、総合大学や医学校で専門的な科学者によって遂行されるべきだ。これらの研究結果は質の高い、主流の科学誌に掲載すべき(例えば、Psychological Science, Child Development, Journal of Personality and Social Psychology, Developmental Psychology,]ournal of Abnormal Psychology)で、簡単で程度が低いジャーナルは避けるべきた(例えばfamily therapy, trauma, abuse, clinical, or psychotherapy journal)。信頼性のある科学的情報や、必要な改革を親族法制度に行うことは、PASと関連するプロセスの虐待から子どもを守るのに役立つ。

結論


多くの善意の専門家の尽力にもかかわらず、科学的知見を反映していない親族法制度や、不適切な経済的動機をもった専門家によってもたらされる誤った情報が、PASとPASに関連する行為による深刻な問題を、多くの監護権訴訟で引き起こしている。虐待的な疎外のプロセス(長期にわたる虐待的な訴訟プロセスを含む)から子どもたちを守るために必要な改革は、シンプルだが達成は難しい。長い訴訟は、不必要な怒り、非難、紛争、および費用を発生させるため、多くの親族法の専門家に強く不適切な経済的動機を与えるからだ。

現在の親族法システムの危険から子供たちを保護するためには学際的な努力が必要である。親族法の運用を大幅に改善することだけが、普遍的かつ基本的な家族の権利――政府からの不当な制限のない相互関係――を守る道である。学際的な改革の努力がない限り、あまりにも多くの子供たちが、ニセ科学の「専門家」と「セラピスト」そして科学がわからない弁護士たちがはびこる親族法制度の危険性に直面し続けることになる。家族や子供たちは、より大きな敬意と、より良いケアを受けるべきだ。

ニセ科学による「評価」「治療法」「セラピー」、不明瞭な心理学的「テスト」、信頼性のない「臨床的判断」に基づく「監護権の勧告」やその他の不適切な方法論を適切に排除していくことは、親族法の制度の整合性を改善する重要なステップである。こうした不適切で誤解を招く証言が、家庭裁判所で普通に見られるようになってきた (Kumho, 1999; Grove & Barden, 2000; Hagen, 1997)。これらを根絶しなければならない。その先例をつくるために、科学による補強をした訴訟の専門家によってFryeそして/またはDaubert/Kumhoのヒアリングを行うべきだろう。

反道徳的な行動(虚偽の申し立て、裁判所の命令に違反する、面会交流を妨げる、憲法で保証されている親の権利を侵害する)を断固として調査・処罰する裁判所では、めったに親の疎外は長引かないだろう。逆に現在の多くの家庭裁判所のように、疎外親へ、他方の親の自・財産・親としての権利にたいしての「フリーショット」を与える裁判所は、長期の有害な訴訟を生み出す可能性が高い。

数十年にわたって、親の影響についてはよく研究されてきた。裁判所はこれ以上、PASの詳細な研究や、遅れている親族法の改定を待つべきではない。反道徳的、ないし不適格で不作為な行為で子どもと家族を傷つける親、「専門家」、「セラピスト」と、弁護士をコントロールするために、積極的に動くべきだ。法と科学のコミュニティは、監護権訴訟の犠牲になることから子どもを守る責任と神聖な義務を、協力して担わねばならない。子どもたちは、ちゃんと保護されるべき存在であって、それ以下のものではない。


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出典:The international handbook of parental alienation syndrome
Conceptual, clinical, and legal considerations
RA Gardner, RS Sauber, D Lorandos編
Charls C Thomas Publisher LTD, 2006

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